1.指値注文は「買い」から始めるのがベスト!
FXは、売り(Short)と買い(Long)のどちらからでも始めることができます。確かにどちらから始めても良いのですが、売りと買いでは必要証拠金とスワップポイントに違いがありますので、売りと買いのメリット、デメリットを理解しておきましょう。
まずは、必要証拠金です。必要証拠金の計算方法については、FXトレード手法【その4】取引する通貨数量を決めよう!で詳しく説明しています。
ドル円のレートは1ドル110円とします。10,000通貨の必要証拠金は、44,000円です。この時点では、「売り」、「買い」ともに必要証拠金は変わりません。
ここで、指値111円、10,000通貨の売り注文、指値109円、10,000通貨の買い注文をしして、両方の注文ともに約定したとします。
「売り」の必要証拠金は44,400円、「買い」の必要証拠金は43,600円になり、「買い」の方が必要証拠金が少なくなることが分かります。
指値注文をする場合は、「買い」から始める方が必要証拠金が少なくて済むということを覚えておきましょう。
2.スワップポイントが貰えるポジションから始めよう!
スワップポイントとは、通貨ペアの金利差から得られる利益、または損失のことを言います。例えばドル円(USD/JPY)の場合、2016年11月時点の政策金利はドル0.5%、円0.1%です。従って金利の高いドルを買って金利の低い円を売る、すなわちドル円の「買い」で金利差0.4%のポイントが貰えます。
現在の政策金利を確認しておきましょう。外為どっとコムの政策金利一覧が見やすく、おすすめです。
例えば、1ドル110円、10,000通貨の買いポジションを1年間保有したとします。ドルの金利0.5%、円の金利0.1%とすると、1年間のスワップポイントは、110×10,000×(0.005-0.001)=4,400円です。スワップポイントは日割りで貰えますので、1日保有すると、4,400/365=12円になります。
当然、売りポジションでは、1日保有すると、12円のスワップポイントを支払うことになります。
短期売買であればそこまでスワップポイントを気にする必要はありませんが、長期間ポジションを保有していると、ジワリジワリと効いてくるのがスワップポイントです。
特にトルコリラや南アフリカランドなどの高金利通貨では、その影響が大きくなります。
スワップポイントはFX会社が独自に設定しています。参考までに、私が使っているSBI FX TRADEのスワップポイントは以下の通りです。
2016年11月25日であれば、ドル円(USD/JPY)、10,000通貨の買いポジションで、1日36円のスワップポイントが貰えます。
スワップポイントが貰えるポジションから取引を始められればベストです。
スワップポイント比較 -SBI FX TRADE
、10,000通貨の場合-
| 通貨ペア | スワップポイント(1日) | |
| 売り(Short) | 買い(Long) | |
| USD/JPY | -37円 | 36円 |
| EUR/JPY | -4円 | 2円 |
| GBP/JPY | -32円 | 30円 |
| AUD/JPY | -47円 | 45円 |
| NZD/JPY | -49円 | 47円 |
| CAD/JPY | -13円 | 11円 |
| CHF/JPY | 4円 | -5円 |
| ZAR/JPY | -15円 | 14円 |
| CNH/JPY | -9円 | 6円 |
| EUR/USD | 36円 | -38円 |
| GBP/USD | 16円 | -18円 |
| AUD/USD | -22円 | 20円 |
| TRY/JPY | -78円 | 72円 |
| KRW/JPY | -7円 | 3円 |
| HKD/JPY | -4円 | 3円 |
| NZD/USD | -32円 | 28円 |
| USD/CAD | -21円 | 6円 |
| USD/CHF | -47円 | 42円 |
| EUR/GBP | 20円 | -23円 |
| EUR/AUD | 67円 | -70円 |
| EUR/NZD | 75円 | -80円 |
| EUR/CHF | -12円 | 7円 |
| GBP/AUD | 52円 | -55円 |
| GBP/CHF | -42円 | 37円 |
| AUD/NZD | 8円 | -13円 |
| AUD/CHF | -57円 | 53円 |
(2016年11月25日のスワップポイント)
3.トレンドに逆らわないポジションから始めよう!
必要証拠金が多くなったり、少なくなったり、また、スワップポイントが貰えたり、支払ったり、「売り」と「買い」でメリット・デメリットがあることは分かりました。
でも一番大事なのは、トレンドに逆らわないポジションを持つということです。
例えば、2016年11月8日の米大統領選挙でトランプ候補が勝利して以降、トレンドは一変して、一気にドル高が進んでいます。
このドル高のトレンドに乗っかって、ドル円の「買い」ポジションから始めるのが良いと思います。またドル円の「買い」ポジションであれば、スワップポイントが貰えるし、トレンドと逆方向、すなわち多少ドル安に進んでも、指値買いで必要証拠金が少なくて済みます。
①トレンドに乗る、②スワップポイントを貰う、③①、②が買いポジションであればベスト、という順番で、「売り」、「買い」どちらのポジションから始めるか決めましょう。

