IMMシカゴ先物ポジション|指数平滑法で建て玉を予測

シカゴIMM先物ポジションの投機筋の建て玉枚数を予測してみました。
詳しくは、以下をご覧ください。
IMMポジションは、シカゴマーカンタイル取引所の毎週火曜日の取引終了後の建て玉枚数です。CTFC(全米先物取引委員会)は、その集計結果を金曜日に公表しています。
IMMポジションは、為替の中・長期的なトレンド把握には有効なのですが、公表までにタイムラグがあるので、短期トレードには使えません。
それだったら、建て玉枚数を予測すればいいじゃないか!ということで、ビジネスの場面で需要予測等に用いられる指数平滑法を使い、買い(Long)、売り(Short)のそれぞれの建て玉枚数を予測しています。
また、シカゴマーカンタイル取引所の取引終了時間は、日本時間では水曜日の6時15分(サマータイムは5時15分)なので、その時間の為替レートを記載しています。
先週の予測は、以下をご覧ください。
1.【円】の建て玉枚数|ムニューシン発言でドル売り進行中だが、予想は円売り増加!
| 日付 | 時間 | ドル円 | 買い | 売り | 差引 | 差引前週比 |
| 2/15(水) | 6:15 | 114.237 | 27,701 | 78,985 | -51,284 | 3,776 |
| 2/22(水) | 6:15 | 113.664 | 29,954 | 80,116 | -50,162 | 1,122 |
| 3/1(水) | 6:15 | ↗︎ | 29,100 | 80,349 | -51,249 | -1,087 |
(ドル円はXM Mac MT4(2月14,21日23:15)より抜粋、太字は予測値)
指数平滑法による予測【円】では、3/1(水)の差引前週比は、「1,087枚のマイナス(円売りが増加)」という結果になりました。
ちなみに、2/22(水)の差引前週比は、「1,122枚のプラス(円買いが増加)」でした。
差引前週比は、今年に入ってから8週間連続でプラス(円買いが増加)となっており、投機筋はジワリジワリと円売りから円買いにポジションを傾けています。
ただ、買いと売りの建て玉枚数を見ると、買いも売りも若干増えていることから、まだまだ一方的にポジションを傾けているということではありません。
今週のドル円の終値は112.144円。始値が112.864円だったので、0.7円程度円高ドル安が進みました。
ドル売り(円買い)のきっかけは、FOMC議事録での3月利上げ観測後退、そしてムニューシン米財務長官(上写真)の100年債発言です。
2月23日に公表されたFOMC議事録は、「かなり早期の追加利上げが適切」といった発言がありました。ただ、昨年12月の利上げの時には、直前11月のFOMC議事録で「次回会合で利上げすべき」と利上げ時期を明確に断言する発言があっただけに、今回の発言内容で3月利上げ観測は高まることはありませんでした。
現時点での3月利上げ予想は26.6%。70%を越えると利上げの可能性が高いのですが、まだかなりの距離感があります。
利上げ予想確率は、以下のサイトをご覧ください。
一方、2月13日の議会承認を経てようやく正式に財務長官に就任したムニューシン米財務長官。これまでムニューチンとカタカナで書いていましたが、ムニューシンとの読み方がメディアで優勢になってきたので、今回から変更しました。
2月23日、ムニューシン米財務長官が米メディアのインタビューで、「米超長期債(100年債)発行を真剣に検討すべき」と発言。これを受けて米長期金利が低下、ドル売りを誘発しました。
IMMポジション予測は円売り(ドル買い)ですが、市場はドル売り(円買い)と正反対に動いているだけに、来週の値動きが気になるところです。
2月28日には、上下両議院合同本会議でのトランプ大統領の議会演説が予定されています。ダウ平均株価は11日連続で最高値を更新、市場の期待が高まっているだけに、結果次第では一気にポジションが動くことが予想されます。
2.【ユーロ】の建て玉枚数|予想は横ばいだが、フランスのEU離脱不安が増幅中!
| 日付 | 時間 | ユーロドル | 買い | 売り | 差引 | 差引前週比 |
| 2/15(水) | 6:15 | 1.05759 | 125,333 | 172,097 | -46,764 | -1,813 |
| 2/22(水) | 6:15 | 1.05407 | 130,981 | 189,232 | -58,251 | -11,487 |
| 3/1(水) | 6:15 | → | 130,035 | 188,895 | -58,860 | -609 |
(ユーロドルはXM Mac MT4(2月14,21日23:15)より抜粋、太字は予測値)
指数平滑法による予測【ユーロ】では、3/1(水)の差引前週比は、「609枚のマイナス(ユーロ売りが増加)」という結果になりました。
ちなみに、2/22(水)の差引前週比は、「11,487枚のマイナス(ユーロ売りが増加)」でした。
ユーロに関して、投機筋の動きが活発になってきました。2/15と2/22の買い・売りの建て玉枚数を見ると、1週間で買い・売りともに大きく増えていることがわかります。
このところ、投機筋が好みそうな話題が増えてきました。ギリシャ不安再燃とオランダ・フランスの政治リスクです。
2/20のユーロ圏財務相会合では、ギリシャの追加改革を協議することで合意はしたもの、ギリシャ自身は緊縮策の上積みには応じない姿勢を明らかにしています。7月の返済期限が近づくにつれてデフォルト懸念が現実味を増してきます。
またフランス大統領選挙で極右政党、国民戦線のルペン党首(上写真)の支持率が高まっています。ルペン大統領が誕生することになると、EU離脱が現実味を増します。英国、フランスがEUを離脱することになると、ユーロ崩壊につながりかねません。
何れにしても、フランス大統領選挙が終わるまでは、これからますます投機筋の動きが活発になると思います。IMMポジション予測は横ばいですが、3月15日のオランダ国政選挙の結果次第では、ポジションが大きく偏ることが予想されます。欧州の動きからは、目が離せそうにありません。
