IMMシカゴ先物ポジション|指数平滑法で建て玉を予測

シカゴIMM先物ポジションの投機筋の建て玉枚数を予測してみました。
詳しくは、以下をご覧ください。
IMMポジションは、シカゴマーカンタイル取引所の毎週火曜日の取引終了後の建て玉枚数です。CTFC(全米先物取引委員会)は、その集計結果を金曜日に公表しています。
IMMポジションは、為替の中・長期的なトレンド把握には有効なのですが、公表までにタイムラグがあるので、短期トレードには使えません。
それだったら、建て玉枚数を予測すればいいじゃないか!ということで、ビジネスの場面で需要予測等に用いられる指数平滑法を使い、買い(Long)、売り(Short)のそれぞれの建て玉枚数を予測しています。
また、シカゴマーカンタイル取引所の取引終了時間は、日本時間では水曜日の6時15分(サマータイムは5時15分)なので、その時間の為替レートを記載しています。
先週の予測は、以下をご覧ください。
1.【円】の建て玉枚数|予想は円売り再開、3月15日の利上げ確定!年内利上げ4回に上方修正なら円売り加速?
| 日付 | 時間 | ドル円 | 買い | 売り | 差引 | 差引前週比 |
| 3/1(水) | 6:15 | 112.676 | 29,012 | 79,029 | -50,017 | 145 |
| 3/8(水) | 6:15 | 114.012 | 39,203 | 93,903 | -54,700 | -4,683 |
| 3/15(水) | 5:15 | ↗︎ | 43,486 | 100,343 | -56,857 | -2,157 |
(ドル円はXM Mac MT4(2月28日,3月7日23:15)より抜粋、太字は予測値)
指数平滑法による予測【円】では、3/15(水)の差引前週比は、「2,157枚のマイナス(円売りが増加)」という結果になりました。
ちなみに、3/8(水)の差引前週比は、「4,683枚のマイナス(円売りが増加)」でした。
差引前週比は、今年に入ってから9週間連続でプラス(円買いが増加)でしたが、ようやくマイナス(円売りが増加)に転換しました。
3/10のドル円の終値は114.767円。3/6の始値が113.909円だったので、この1週間で0.8円程度、円安ドル高が進みました。
ドル買い(円売り)のきっかけは、3月利上げの決め手となる好調な米雇用統計の発表です。
3月10日に公表された米雇用統計では、非農業部門雇用者数は23万5000人増、予想の19万人増を大きく上回りました。また、失業率は4.7%、先月の4.8%から0.1%改善し、イエレン議長の言う完全雇用を裏付ける数値となりました。
すでにFedWatch(フェドウォッチ)の利上げ予想確率は、88.6%。目安となる70%を大きく上回り、3月15日のFOMCで利上げに踏み切るのは間違いありません。
FedWatchについては、以下の記事をご覧ください。
3月のFOMCは利上げが確定したので、次の焦点は利上げペースです。今年3回の利上げ予想が4回に上方修正されると、円とドルの金利差が拡大し、ドル買い(円売り)が加速するでしょう。
IMMポジション予測では、円買いから円売りへの転換の兆候が見えてきました。
投機筋がこのまま円売りを継続して、昨年11月の米大統領選挙以降に見られた円売りの第二幕が再開するのか?
先週、厚い壁に見えたドル円115円を簡単に突破しましたので、次は昨年12月15日につけた高値118.656円を目指す展開になるのか、楽しみにしたいと思います。
2.【ユーロ】の建て玉枚数|予想はユーロ売り、オランダ国政選挙でユーロ買い/売りのシーソゲームの行方に注目!
| 日付 | 時間 | ユーロドル | 買い | 売り | 差引 | 差引前週比 |
| 3/1(水) | 6:15 | 1.05800 | 143,584 | 194,748 | -51,164 | 7,087 |
| 3/8(水) | 6:15 | 1.05672 | 137,662 | 197,163 | -59,501 | -8,337 |
| 3/15(水) | 5:15 | ↘︎ | 132,994 | 197,163 | -64,169 | -4,668 |
(ユーロドルはXM Mac MT4(2月28日,3月7日23:15)より抜粋、太字は予測値)
指数平滑法による予測【ユーロ】では、3/15(水)の差引前週比は、「4,668枚のマイナス(ユーロ売りが増加)」という結果になりました。
ちなみに、3/8(水)の差引前週比は、「8,337枚のマイナス(ユーロ売りが増加)」でした。
ユーロに関しては、3月9日のECB理事会でドラギ総裁が追加緩和の必要性は低下していると発言しました。すでに2月のユーロ圏消費者指数は2%、ECBは2%を下回る目標を立てており、すでに目標をクリアしているので、当然の発言といえます。
ECB理事会を受けて、ユーロ買いが進行。3/10のユーロドル終値は1.06738ドル。3/6の始値が1.06088ドルだったので、この1週間で約0.007ドルのユーロ買いドル売りとなりました。
金融緩和縮小でユーロ買いが加速しそうなところですが、IMMポジション予測ではユーロ売りが増加。真逆の予測となっています。
ユーロの足を引っ張っているのは、何と言っても政治リスク。その第一弾であるオランダ国政選挙は3月15日、いよいよ来週に迫ってきました。
オランダ極右政党の自由党、ウィルダース党首(上写真)は、EU離脱を公約に掲げ、第一党の座を狙っています。
ただ第一党になっても、政権を取るには連立相手が必要で、主な政党は連立を拒んでいるので、ウィルダース政権誕生とまではならないでしょう。それでも次に控えているフランス大統領選挙でルペン党首にとって追い風になるのは間違いありません。
ユーロ買い(金融緩和縮小)とユーロ売り(政治リスク)のシーソーゲームはまだまだ続きますので、投機筋がどちらに重心を傾けるのか、来週以降もIMMポジションから目が離せません。
