IMMシカゴ先物ポジション|指数平滑法で建て玉を予測

シカゴIMM先物ポジションの投機筋の建て玉枚数を予測してみました。
詳しくは、以下をご覧ください。
IMMポジションは、シカゴマーカンタイル取引所の毎週火曜日の取引終了後の建て玉枚数です。CTFC(全米先物取引委員会)は、その集計結果を金曜日に公表しています。
IMMポジションは、為替の中・長期的なトレンド把握には有効なのですが、公表までにタイムラグがあるので、短期トレードには使えません。
それだったら、建て玉枚数を予測すればいいじゃないか!ということで、ビジネスの場面で需要予測等に用いられる指数平滑法を使い、買い(Long)、売り(Short)のそれぞれの建て玉枚数を予測しています。
また、シカゴマーカンタイル取引所の取引終了時間は、日本時間では水曜日の6時15分(サマータイムは5時15分)なので、その時間の為替レートを記載しています。
先週の予測は、以下をご覧ください。
1.【円】の建て玉枚数|予想は横ばい、FRB高官のタカ派発言相次ぎ、3月利上げ予想は70%超でほぼ確定!
| 日付 | 時間 | ドル円 | 買い | 売り | 差引 | 差引前週比 | 
| 2/22(水) | 6:15 | 113.664 | 29,954 | 80,116 | -50,162 | 1,112 | 
| 3/1(水) | 6:15 | 112.676 | 29,012 | 79,029 | -50,017 | 145 | 
| 3/8(水) | 6:15 | → | 29,045 | 78,757 | -49,712 | 305 | 
(ドル円はXM Mac MT4(2月21,28日23:15)より抜粋、太字は予測値)
指数平滑法による予測【円】では、3/8(水)の差引前週比は、「305枚のプラス(円買いが増加)」という結果になりました。
ちなみに、3/1(水)の差引前週比は、「145枚のプラス(円買いが増加)」でした。
差引前週比は、今年に入ってから9週間連続でプラス(円買いが増加)。投機筋の円買いは継続中です。
ただ、買いと売りの建て玉枚数を見ると、大きなポジション変動はないことから、円買いというよりも、様子見を続けているという表現の方がしっくりきます。
3/3のドル円の終値は114.017円。2/27の始値が112.684円だったので、この1週間で1.3円程度、円安ドル高が進みました。
ドル買い(円売り)のきっかけは、FRB高官から相次ぐタカ派発言です。
2月23日に公表されたFOMC議事録では、3月利上げ観測は高まることはありませんでしたが、FRB高官から次から次へとタカ派発言が相次ぎ、FedWatch(フェドウォッチ)の予想確率は、先週末の26.6%から79.7%に急上昇。目安となる70%を超えて利上げが濃厚です。
FedWatchについては、以下の記事をご覧ください。
この1週間のFRB高官の発言です。
ダドリー・ニューヨーク連銀総裁「利上げの必要性はかなり逼迫」
ウィリアムズ・サンフランシシスコ連銀総裁「3月会合で利上げを真剣に検討」
カプラン・ダラス連銀総裁「利上げを早めに踏み切るべき」
ブレイナード理事「早期の利上げは適切」
フィッシャー副議長「早期の利上げ支持に私も加わる」
イエレン議長「労働市場は完全雇用に達した。3月会合で調整を判断」
口裏を合わせたかのように、3月利上げを市場に浸透させようとするタカ派発言のオンパレードです。
3月の利上げを逃すと、次の会合は5月。フランス大統領選挙の結果次第では、昨年のブレグジットの時のように、利上げどころの騒ぎではなくなることを考えているのでしょう。また、4月にタルーロ理事が辞任して、トランプ大統領がFRB人事に介入してくると、利上げ合意が取りづらくなると判断したのかもしれません。
何れにしても、3月利上げはほぼ確定です。
IMMポジション予測では、様子見継続ですが、投機筋が円売りにポジションを傾けるのか?
次回のIMMポジションに注目しましょう。
2.【ユーロ】の建て玉枚数|予想はユーロ買い、マクロン前経財相支持率トップでユーロ不安和らぐ?
| 日付 | 時間 | ユーロドル | 買い | 売り | 差引 | 差引前週比 | 
| 2/22(水) | 6:15 | 1.05407 | 130,981 | 189,232 | -58,251 | -11,487 | 
| 3/1(水) | 6:15 | 1.05800 | 143,584 | 194,748 | -51,164 | 7,087 | 
| 3/8(水) | 6:15 | ↗︎ | 145,770 | 194,748 | -48,978 | 2,186 | 
(ユーロドルはXM Mac MT4(2月21,28日23:15)より抜粋、太字は予測値)
指数平滑法による予測【ユーロ】では、3/8(水)の差引前週比は、「2,186枚のプラス(ユーロ買いが増加)」という結果になりました。
ちなみに、3/1(水)の差引前週比は、「7,087枚のプラス(ユーロ買いが増加)」でした。
ユーロに関しては、フランス大統領選挙の世論調査で無所属のマクロン前経財相(上写真)が国民戦線のルペン党首を上回り、支持率トップ。ユーロ不安が少し和らぎました。
詳しくは、オドクサの記事をご覧ください。フランス語のサイトですが、フランス語が全くわからない私でも支持率の数値はわかりました。
1位 マクロン(Emmanuel Macron):27%
2位 ルペン(Marine Le Pen):25.5%
3位 フィヨン(François Fillon):19%
4位 ハモン(Benoît Hamon):14%
5位 メランション(Jean-Luc Mélenchon):10%
6位 エニャン(Nicolas Dupont-Aignan):3%
7位 ポートー(Philippe Poutou):1%
8位 アーサッド(Nathalie Arthaud):0.5%
フランス大統領選挙は、支持率が発表されるたびに、一喜一憂する展開になるのは間違いないので、あまり気にする必要はありません。昨年のブレグジットとアメリカ大統領選挙で、世論調査ほど当てにならないことははっきりしています。
IMMポジション予測では、ユーロ買いですが、ギリシャ不安やオランダ国政選挙など、ユーロ売りネタは満載です。
フランス大統領選挙に向けて投機筋がどう動くのか、IMMポジションをチェックして売買のタイムングを逃さないようにしましょう。



