IMMシカゴ先物ポジション|指数平滑法で建て玉を予測

シカゴIMM先物ポジションの投機筋の建て玉枚数を予測してみました。
詳しくは、以下をご覧ください。
IMMポジションは、シカゴマーカンタイル取引所の毎週火曜日の取引終了後の建て玉枚数です。CTFC(全米先物取引委員会)は、その集計結果を金曜日に公表しています。
IMMポジションは、為替の中・長期的なトレンド把握には有効なのですが、公表までにタイムラグがあるので、短期トレードには使えません。
それだったら、建て玉枚数を予測すればいいじゃないか!ということで、ビジネスの場面で需要予測等に用いられる指数平滑法を使い、買い(Long)、売り(Short)のそれぞれの建て玉枚数を予測しています。
また、シカゴマーカンタイル取引所の取引終了時間は、日本時間では水曜日の6時15分(サマータイムは5時15分)なので、その時間の為替レートを記載しています。
先週の予測は、以下をご覧ください。
1.【円】の建て玉枚数|予測は横ばい、日米首脳会談の結果を踏まえて投機筋がポジションを動かしてくるか?
| 日付 | 時間 | ドル円 | 買い | 売り | 差引 | 差引前週比 |
| 2/1(水) | 6:15 | 112.903 | 32,216 | 90,547 | -58,331 | 8,509 |
| 2/8(水) | 6:15 | 112.361 | 25,874 | 80,934 | -55,060 | 3,271 |
| 2/15(水) | 6:15 | 横ばい | 27,333 | 78,540 | -51,207 | 3,853 |
(ドル円はXM Mac MT4(1月31日,2月7日23:15)より抜粋、太字は予測値)
指数平滑法による予測【円】では、2/15(水)の差引前週比は、「3,853枚のプラス(円買いが増加)」という結果になりました。
ちなみに、2/8(水)の差引前週比は、「3,271枚のプラス(円買いが増加)」でした。
先週、2/8(水)の差引前週比で円売りへの反転を予測しましたが、日米首脳会談を控える中、投機筋は円売りに大きく傾くことはなかったようです。
今週は、日米首脳会談の結果を見極めようとの様子見ムードで、ドル円は値動きは限定されました。
ドル円相場については、2月7日の記事で、112.0円から116.0円を予想していました。
結果は、111.5円から113.8円。予想に比べてレンジが0.5円程度下がり、また期待したほどの円安が進みませんでした。
日米首脳会談は、ワシントンでの会談に加えて、フロリダでのゴルフ接待まで付いた2日間の厚遇会談となっています。
為替に関しては、日米首脳会談の会見で「すぐに公平な競争ができる土俵をつくる」とのトランプ大統領の発言がドル高牽制と受け止められ、2/11(土)3:00頃、一時的に112.8円付近まで円高ドル安が進みましたが、すぐに値を戻しています。
日本時間の2/11(土)昼時点では、市場が恐れていたような爆弾発言は聞こえてきていません。トランプ大統領から、日米の自由貿易協定(FTA)の締結要請もなく、対日貿易赤字や近年の円安傾向についての言及もなかったと伝えられています。
まだ会談は終わった訳ではないので、予断を許しませんが、2月5日の記事で予測した通り、安倍首相とトランプ大統領の友好的な会談内容だけが伝わり、これまでの一方的な主張・要望はなりを潜める事になりそうです。
IMMポジション予測では、2/15(水)は若干円買いが増加となっていますが、日米首脳会談の結果を踏まえて、投機筋がポジションを動かしてくるのか?来週の結果が楽しみです。
個人的には、円売りポジション増加を期待します。
2.【ユーロ】の建て玉枚数|予測は横ばい、オランダ・フランス選挙、ギリシャ不安再燃などユーロ売り材料には事欠かない
| 日付 | 時間 | ユーロドル | 買い | 売り | 差引 | 差引前週比 |
| 2/1(水) | 6:15 | 1.07918 | 125,689 | 171,402 | -45,713 | 6,635 |
| 2/8(水) | 6:15 | 1.06839 | 126,708 | 171,659 | -44,951 | 762 |
| 2/15(水) | 6:15 | 横ばい | 126,708 | 171,659 | -44,951 | 0 |
(ユーロドルはXM Mac MT4(1月31日,2月7日23:15)より抜粋、太字は予測値)
指数平滑法による予測【ユーロ】では、2/15(水)の差引前週比は、「0枚(変化なし)」という結果になりました。
ちなみに、2/8(水)の差引前週比は、「762枚のプラス(ユーロ買いが増加)」でした。
今週、ユーロに関しては、ユーロ売りにつながる話題が聞こえてきました。
まずは、ユーロ各国の選挙です。
オランダ国政選挙(3月15日)、フランス大統領選挙(4月23日、第一回投票)、イタリア国政選挙(6月に前倒し?)、ドイツ国政選挙(9月)、と立て続けにユーロ各国で選挙が控えています。
しかも選挙が近づくにつれて、ユーロに反対する勢力が優勢とのニュースが多く見られるようになりました。
オランダでは、反EUを掲げる極右政党が第1党となる可能性が高くなってきました。議席数は少ないのですが、もしかするとこの極右政党のウィルダース党首が首相に就くこともあり得ます。
またフランス大統領選挙では、極右政党のルペン党首が世論調査で優勢となっています。EU離脱の国民投票を公約に掲げていますので、英国に続き、フランスまでEU離脱となれば、ユーロは危機的な状況に追い込まれるでしょう。
イタリアでも反ユーロ感情が高まり、国政選挙の前倒しがあるかもしれません。
まともなのはドイツだけで、メルケル首相の続投は危ぶまれていますが、対抗馬としてはシュルツ前EU議会議長です。EU離脱はあり得ません。
もう一つは、ギリシャ不安の再燃です。
国際通貨基金(IMF)がギリシャの再建には債務負担軽減、緊縮策緩和が必要との報告書を公表し、ユーロ各国と対立する構図となっています。
ユーロ各国は、反EU感情が高まる中、選挙も控えており、IMFの言う債務負担軽減に動ける状況にありません。再びギリシャにデフォルト(債務不履行)の懸念が出てきました。
先週は、ユーロ買い増加を予測しましたが、結果は横ばい。これだけユーロ売りに繋がる材料が出てくると投機筋もなかなかユーロ買いには動けないと思います。
選挙が近づくにつれて、ユーロ売り材料も増えてくるので、今後の投機筋のポジション推移に注目しましょう。
