IMMシカゴ先物ポジション|指数平滑法で建て玉を予測

シカゴIMM先物ポジションの投機筋の建て玉枚数を予測してみました。
詳しくは、以下をご覧ください。
IMMポジションは、シカゴマーカンタイル取引所の毎週火曜日の取引終了後の建て玉枚数です。CTFC(全米先物取引委員会)は、その集計結果を金曜日に公表しています。
IMMポジションは、為替の中・長期的なトレンド把握には有効なのですが、公表までにタイムラグがあるので、短期トレードには使えません。
それだったら、建て玉枚数を予測すればいいじゃないか!ということで、ビジネスの場面で需要予測等に用いられる指数平滑法を使い、買い(Long)、売り(Short)のそれぞれの建て玉枚数を予測しています。
また、シカゴマーカンタイル取引所の取引終了時間は、日本時間では水曜日の6時15分(サマータイムは5時15分)なので、その時間の為替レートを記載しています。
先週の予測は、以下をご覧ください。
1.【円】の建て玉枚数|予想は円買い中断、トランプ政権の貿易圧力が高まる中、円買いは止まるか?
| 日付 | 時間 | ドル円 | 買い | 売り | 差引 | 差引前週比 | 
| 3/22(水) | 5:15 | 111.663 | 35,039 | 102,026 | -66,987 | 4,310 | 
| 3/29(水) | 5:15 | 111.103 | 42,886 | 96,067 | -53,181 | 13,806 | 
| 4/5(水) | 5:15 | → | 40,139 | 95,502 | -55,363 | -2,182 | 
(ドル円はXM Mac MT4(3月21,28日22:15)より抜粋、太字は予測値)
指数平滑法による予測【円】では、4/5(水)の差引前週比は、「2,182枚のマイナス(円売りが増加)」という結果になりました。
ちなみに、3/29(水)の差引前週比は、「13,806枚のプラス(円買いが増加)」でした。
先週、ドル円は110.101円まで円買いが進む場面が見られました。何度か110円の壁を突破しようと試みるも失敗。結局111.370円でクローズ。始値が110.906円だったので、この1週間で見ると0.4円程度、円安ドル高となりました。
先週末は年度末で日本の輸入企業の円売り、ドル買い注文によるドル不足との情報もあり、110円を超えることはありませんでした。
そんな最中、アメリカではトランプ政権の支持率が急降下しています。もともと支持率が高くなかった上に、オバマケアの代替法案「アメリカンヘルスアクト(AHCA)」では身内の共和党を纏めきれず、法案撤回に追い込まれました。
また、トランプ入国禁止令では、ことごとく裁判所から差し止めされる始末。看板政策が期待外れに終わり、市場が期待していた驚くべき税制改革と大規模インフラ投資の実現も危うくなってきました。
そこでトランプ政権は国民の目を海外に向けるために、貿易政策で強行姿勢を見せつつあります。
4月中旬に予定されている日米経済対話にロス商務長官(上写真)も参加を表明。通商政策を担うロス商務長官が日本に対して強行姿勢を見せれば、先週110円で踏みとどまった円買いが一気に進む可能性もあります。
また北朝鮮に対しても強行姿勢を見せるトランプ政権。そうは言うものの北朝鮮への直接武力攻撃はないとの見方が大勢ですが、国内政治での失策が続けば、窮鼠猫を噛むがごとく、先制攻撃を仕掛けるかもしれません。
何れにしても、トランプ大統領が続く限り、まだまだ突拍子もない出来事が続きそうです。
2.【ユーロ】の建て玉枚数|予想はユーロ買い、英国はEU離脱を正式通知するもEUとの交渉は難航必至!
| 日付 | 時間 | ユーロドル | 買い | 売り | 差引 | 差引前週比 | 
| 3/22(水) | 5:15 | 1.08113 | 159,590 | 179,252 | -19,662 | 21,365 | 
| 3/29(水) | 5:15 | 1.08104 | 163,648 | 171,571 | -7,923 | 11,739 | 
| 4/5(水) | 5:15 | ↗︎ | 166,360 | 169,930 | -3,570 | 4,353 | 
(ユーロドルはXM Mac MT4(3月21,28日22:15)より抜粋、太字は予測値)
指数平滑法による予測【ユーロ】では、4/5(水)の差引前週比は、「4,353枚のプラス(ユーロ買いが増加)」という結果になりました。
ちなみに、3/29(水)の差引前週比は、「11,739枚のプラス(ユーロ買いが増加)」でした。
ユーロ買いが止まりません。ユーロ買いからユーロ売りを引いた差引は、7,923枚のマイナス。このままユーロ買いが続けば、2014年5月7日から続いていたユーロ売りが反転するかもしれません。
英国のEU離脱やフランス大統領選挙などの政治リスクがなければ、すでにEU圏消費者指数は2%の目標を達成しているのですから、もっと早い時期に金融緩和を縮小、利上げに軸足を移していたでしょう。
そう考えると、投機筋のユーロ買いは当然の動きと言えます。
一方、3月29日、英国はEUに正式離脱を通知。ティム・バロー駐EU英大使(左上写真)はトゥスクEU大統領(右上写真)にEU離脱の書簡を手渡ししました。
これから本格的な交渉が始まりますが、EU予算の分担金約600億ユーロの支払いを求めるEUに対して、英国は反発。交渉の入り口からつまづいています。
また、これまで通りEU加盟時と同じ関税協定を結びたい英国に対して、EUは認めるつもりはありません。英国にこんな好条件を認めると、フランスやオランダなど、EU離脱のドミノ倒しが目に見えているので、厳しい姿勢で交渉に臨むでしょう。
政治リスクがどこまでユーロ買いの勢いを弱めることができるのか、フランス大統領選挙の結果次第で、ユーロ買い、ユーロ売り、どちらにも大きく動く可能性があります。フランス大統領選挙まであと1ヶ月。ユーロ買い、ユーロ売り、どちらにでも動ける準備をした方が良さそうです。


